テナント火災保険の相場はいくら?業種別・規模別の目安と選び方を解説
店舗やオフィスを借りる際、不動産会社から「火災保険への加入が必要です」と言われて「相場はいくらなのか」「どんな補償が必要なのか」と不安を感じる経営者の方は少なくありません。特に初めて事業用物件を借りる場合、住宅用の火災保険とは異なる仕組みに戸惑うこともあるでしょう。
テナント火災保険の相場は業種や店舗規模によって大きく異なり、適切な補償を選ばないと万が一の際に十分な保護を受けられません。相場を正しく理解し、自分の事業に必要な補償を見極めることが重要です。
この記事では、テナント火災保険の相場を業種別・規模別に解説し、加入すべき理由、補償内容の選び方、保険料を抑える方法について詳しく説明します。
テナント火災保険の相場【業種別・規模別早見表】
テナント火災保険の保険料は、業種による火災リスクや店舗の規模(床面積)によって大きく変わります。ここでは、一般的なテナント契約で多い条件をもとに、業種別・規模別の年間保険料の目安をまとめました。
| 業種 | 小規模(〜50㎡) | 中規模(50〜100㎡) | 中〜大規模(100㎡〜) | 保険料が変動しやすい要因 |
|---|---|---|---|---|
| 飲食店 | 3〜4万円 | 4〜5万円 | 5万円〜 | 火気使用、厨房設備、建物構造 |
| 美容室・サロン | 2〜3万円 | 2〜4万円 | 4万円〜 | 薬剤・機器、来店客数 |
| 事務所・オフィス | 1.5〜2.5万円 | 2〜4万円 | 4万円〜 | 設備金額、来客の有無 |
| バー・スナック | 3万円〜 | 4万円〜 | 5万円〜 | 深夜営業、酒類提供 |
| 倉庫 | 2万円〜 | 3万円〜 | 4万円〜 | 保管物の種類・金額 |
飲食店は年間3万円〜5万円が相場
飲食店の火災保険料は、年間3万円〜5万円程度が一般的な相場です。飲食店は厨房で火を扱うため、火災リスクが高いと判断され、他の業種と比べて保険料が高めに設定されています。
例えば、延べ床面積50平米の小規模な飲食店で補償額2,000万円の場合、年間保険料は約3万円〜4万円です。100平米の中規模店舗になると、年間4万円〜5万円程度になることが一般的です。
ただし、建物の構造が鉄筋コンクリート造か木造かによっても保険料は変動します。
事務所・オフィスは年間1.5万円〜4万円
事務所やオフィスの場合、年間1.5万円〜4万円が相場となります。火気をほとんど使用しないため、飲食店と比べて保険料は約1.5万円ほど安くなる傾向があります。
例えば、100平米の事務所で補償額2,000万円の設定なら、年間3万円〜4万円程度です。50平米程度の小規模オフィスであれば、年間1.5万円〜2.5万円に収まるケースが多いでしょう。
また小売店や美容室など火災リスクが中程度の業種は、飲食店と事務所の中間的な保険料になります。
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テナント火災保険とは?加入が必要な理由
テナント火災保険は、店舗やオフィスを借りる事業者が加入する保険で、火災をはじめとする様々なリスクから事業を守ります。ここでは、加入が必要な理由を解説します。
プランによっては水漏れや盗難も補償対象になる
テナント火災保険という名称ですが、実際には火災だけでなく、プランによって幅広いリスクをカバーできます。補償範囲は契約内容によって異なるため、加入時に必ず確認しましょう。
- 基本的な火災保険:火災・落雷・破裂・爆発などが補償対象
- 総合的なプラン:水漏れ・盗難・風災・雪災なども補償される
例えば、階上のテナントからの水漏れで店内の設備が故障した場合や、店舗に盗難が入って什器備品が盗まれた場合も、適切なプランに加入していれば補償を受けられます。
どこまでカバーするかは契約内容によって異なるため、加入時の確認が重要です。
賃貸契約でほぼ必須の条件になっている
事業用物件の賃貸契約では、火災保険への加入がほぼ必須条件として契約書に明記されています。法律上の義務ではありませんが、貸主側のリスク管理として加入を求められるのが一般的です。
火災保険に加入していない場合、万が一火災が発生した際に、テナントの修復費用や他のテナントへの損害賠償が全額自己負担となります。また、もらい火による火災被害を受けた場合でも、失火責任法により相手側に重大な過失がなければ賠償を求められないため、自分で保険に入っておく必要があります。
大家や他テナントへの賠償責任をカバーできる
テナント火災保険には、借家人賠償責任保険や施設賠償責任保険が付帯されており、大家や他のテナントへの賠償責任をカバーできます。自店舗が火元となって建物や他のテナントに損害を与えた場合、賠償額は数百万円から数千万円に及ぶこともあります。
例えば、複数のテナントが入居するビルで火災を起こした場合、建物の修繕費だけでなく、他のテナントの休業補償も請求される可能性があります。こうした高額な賠償リスクに備えるためにも、適切な補償内容の火災保険に加入することが不可欠です。
火災保険と総合保険の違い
テナント向けの保険には、基本的な火災保険と補償範囲が広い総合保険があります。ここでは、両者の違いを解説します。
火災保険は火災・落雷など基本補償のみ
基本的な火災保険は、自然災害による損害を中心に補償します。保険料は比較的安く抑えられますが、補償範囲は限定的です。
- 補償対象:火災・落雷・破裂・爆発・風災・雪災など
- 補償対象外:盗難・水漏れ・設備の故障など
火を扱わない事務所や、火災リスクが比較的低い業種であれば、基本的な火災保険でも十分なケースがあります。ただし、補償範囲が限定的なため、想定されるリスクが基本補償でカバーできるかを慎重に検討する必要があります。
総合保険は盗難や賠償責任まで幅広くカバー
総合保険は、火災保険の補償に加えて幅広いリスクをカバーします。保険料は火災保険より高くなりますが、事業を取り巻く様々なリスクに対応できるため、店舗経営には総合保険がおすすめです。
- 火災保険の補償:火災・落雷・破裂・爆発・風災・雪災
- 追加の補償:盗難・水漏れ・外部からの衝突・賠償責任
例えば、飲食店では水回りの設備故障による水漏れや、お客様に怪我を負わせてしまうリスクがあります。小売店では商品の盗難リスクも考えられます。多様なリスクに備えるなら、総合保険を選ぶことで安心して事業を続けられるでしょう。
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基本補償と追加すべき特約の選び方
火災保険には基本補償に加えて、事業内容に応じた特約を付帯できます。ここでは、店舗経営者が検討すべき主な特約を解説します。
借家人賠償責任保険の付帯がおすすめ
借家人賠償責任保険は、火災や水漏れで建物に損害を与えた際に、大家への賠償金を補償する特約です。テナント契約では付帯がほぼ必須となっており、賃貸借契約の条件として求められることが一般的です。
補償額は賃貸物件の価値や改修費用に基づいて設定されますが、一般的には1,000万円〜3,000万円程度が目安です。火災だけでなく、ガス爆発や水漏れによる損害も対象となるため、必ず付帯しておきましょう。
休業補償は売上規模に応じて検討する
休業補償は、火災や災害で営業が停止した場合の売上損失を補償する特約です。店舗の売上規模が大きい場合や、固定費が高い事業では、休業による損失が経営に深刻な影響を与えるため、加入を検討する価値があります。
例えば、月商が500万円を超える飲食店であれば、1週間の休業でも大きな損失となります。休業補償を付帯しておけば、営業再開までの従業員の給与や家賃などの固定費をカバーできるため、資金繰りの不安を軽減できます。
施設賠償責任保険で顧客への事故に備える
施設賠償責任保険は、店舗の設備不備や従業員のミスでお客様に怪我を負わせた場合の賠償金を補償します。飲食店であれば食中毒のリスク、美容室であればお客様の荷物を紛失するリスクなど、業種特有のリスクに対応できます。
例えば、店内の床が濡れていてお客様が転倒し怪我をした場合や、従業員が熱い飲み物をこぼしてお客様にやけどを負わせた場合など、店舗運営では予期せぬ事故が発生する可能性があります。施設賠償責任保険に加入しておけば、こうした賠償リスクに備えられます。
補償対象外になるケースと注意点
火災保険には補償されないケースもあります。契約後に「補償されると思っていたのに対象外だった」というトラブルを避けるため、事前に確認しておきましょう。
地震・津波による損害は別途地震保険が必要
火災保険では、地震・津波・噴火が原因の火災や損害は補償対象外です。地震による損害に備えるには、火災保険に地震保険を追加する必要があります。地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲で設定されます。
地震リスクが高い地域では、地震保険への加入を検討する価値があります。ただし、地震保険は単独では加入できず、必ず火災保険とセットで契約する必要があるため、契約時に保険会社へ確認しましょう。
老朽化や故意・過失による損害は補償されない
火災保険は突発的な事故を補償するものであり、建物や設備の老朽化による損害は補償対象外です。また、契約者の故意や重大な過失による損害も補償されません。
例えば、屋根の老朽化による雨漏りで設備が故障した場合や、メンテナンス不足で配管が破裂した場合は補償されません。日常的な点検とメンテナンスを怠らず、建物や設備を適切に管理することが重要です。
免責金額以下の損害は自己負担になる
多くの火災保険には免責金額が設定されており、免責金額以下の損害は契約者の自己負担となります。免責金額とは、保険金から差し引かれる自己負担額のことで、免責金額を高く設定すれば保険料は安くなります。
例えば、免責金額が3万円に設定されている場合、損害額が10万円であれば保険金として7万円が支払われます。しかし、損害額が3万円以下であれば保険金は支払われず、全額自己負担となります。契約時には免責金額の設定を必ず確認しましょう。
保険料を適正価格に抑える方法
火災保険の保険料は工夫次第で適正価格に抑えることができます。ここでは、コストを最適化する方法を解説します。
複数の保険会社から相見積もりを取る
保険料は保険会社によって異なるため、複数社から見積もりを取って比較することが重要です。同じ補償内容でも、保険会社によって保険料が30%以上違うケースもあります。
見積もりを取る際は、補償内容と保険料のバランスを確認しましょう。単に安いだけでなく、必要な補償がきちんと含まれているかをチェックすることが大切です。火災保険の一括見積もりサービスを利用すれば、複数社の比較が簡単にできます。
不動産会社指定以外の保険も比較検討する
賃貸契約時に不動産会社が保険を提案してきますが、必ずしもその保険に加入する必要はありません。大家が求める補償内容を満たしていれば、自分で選んだ保険に加入することも可能です。
不動産会社が提案する保険が割高な場合もあるため、他社の見積もりを取って比較検討することをおすすめします。ただし、自分で保険を選ぶ場合は、貸主が求める補償内容を満たしているか、契約前に必ず確認しましょう。
不要な特約を外してコストを最適化する
火災保険には様々な特約がありますが、自分の事業に不要な特約を外すことで保険料を抑えられます。例えば、火をほとんど使わない事務所であれば、火災リスクに特化した特約は不要かもしれません。
また、免責金額を高めに設定することで保険料を下げることもできます。ただし、必要な補償まで削ってしまうと、万が一の際に十分な補償を受けられなくなるため、バランスを考えて判断することが重要です。
テナント火災保険に関するよくある質問
テナント火災保険についてよく寄せられる質問に回答します。契約前の疑問を解消し、適切な判断に役立ててください。
不動産会社が指定する保険以外に加入できますか?
はい、貸主が求める補償内容を満たしていれば、自分で選んだ保険に加入できます。不動産会社が提案する保険に必ず加入しなければならないという法的義務はありません。
ただし、賃貸借契約書に「借家人賠償責任保険に加入すること」など具体的な条件が記載されている場合は、その条件を満たす保険に加入する必要があります。自分で保険を探す場合は、契約書の条件を確認したうえで保険会社を選びましょう。
地震保険は必ず入らないといけませんか?
地震保険は任意加入であり、法律上の加入義務はありません。ただし、地震リスクが高い地域で事業を行う場合や、店舗に高額な設備・在庫がある場合は、加入を検討する価値があります。
地震保険の保険料は立地によって異なり、地震リスクが高い地域ほど保険料が高くなります。自分の事業がどの程度の地震リスクに晒されているかを考慮し、必要性を判断しましょう。
保険料は経費として計上できますか?
はい、事業用の火災保険料は経費として計上できます。勘定科目は「保険料」または「支払保険料」として処理するのが一般的です。法人の場合は損金算入が可能で、個人事業主の場合は必要経費として認められます。
ただし、複数年分の保険料を一括で支払った場合は、前払費用として資産計上し、契約期間に応じて毎年按分して経費計上する必要があります。適切な会計処理については、税理士に相談することをおすすめします。
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まとめ
テナント火災保険の相場は業種や規模によって異なり、飲食店は年間3万円〜5万円、事務所は年間1.5万円〜4万円が目安です。火災保険への加入は賃貸契約でほぼ必須となっており、大家や他テナントへの賠償責任をカバーするためにも必要です。
- 基本的な火災保険:火災・落雷などの基本補償のみで保険料が安い
- 総合保険:盗難や賠償責任まで幅広くカバー、店舗経営におすすめ
- 必須の特約:借家人賠償責任保険は必ず付帯する
- 検討すべき特約:休業補償や施設賠償責任保険は事業内容に応じて判断
保険料を抑えるには、複数社から相見積もりを取り、不動産会社指定以外の保険も比較検討することが重要です。また、不要な特約を外してコストを最適化することで、適正価格での加入が可能になります。
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記事監修者
株式会社グロウ・コンサルタント/古川一輝税理士事務所
代表税理士:古川一輝
夜職や店舗ビジネスの顧客からの相談を多く受け、確定申告・収入管理など“業種特有の悩み”に実務経験を踏まえて対応している。
飲食・美容・医療のバックオフィス業務も一括で支援し、長く選ばれる税務パートナーとして活動している。




