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保証金償却とは?会計処理・仕訳・税務上の注意点を解説

経営

店舗やオフィスの賃貸契約を結ぶ際、「保証金の一部が償却される」という条項を目にして、「これは返ってこないお金なの?」「会計処理はどうすればいいの?」と不安を感じる経営者の方は少なくありません。特に初めて事業用物件を借りる場合、保証金償却の仕組みが分からず、契約後に想定外の負担が発生してしまうケースもあります。

保証金償却の仕組みと会計処理を正しく押さえておけば、契約判断のミスを防げます。また、税務上のトラブルも未然に回避することが可能です。

この記事では、保証金償却とは何か、経理処理の正しい方法、契約前に確認すべきポイント、税務で損しないための注意点などを詳しく解説します。

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保証金償却とは?

保証金償却とは、お店や事務所を借りるときに預けた保証金のうち、契約終了時に一部が返ってこず、貸主側の収入になる仕組みのことです。

ここでは、保証金償却の基本的な意味と他の費用との違いを解説します。

預けた保証金の一部が返還されない仕組み

保証金は本来、家賃を払えなくなった時や、物件を傷つけてしまったときに備えて貸主に預けておくお金で、契約が終われば返してもらえるものです。しかし、契約書に「保証金償却」の特約がある場合、契約時点で一定額が返還されないことが確定しています。います。

例えば、保証金100万円のうち20%が償却される契約なら、引っ越すときに戻ってくるのは80万円だけで、20万円は貸主の収入になります。この償却された分は、物件の使用対価や契約締結の対価として扱われます。

敷金・礼金・原状回復費とは性質が異なる

保証金償却は、敷金・礼金・原状回復費と混同されやすいですが、それぞれ性質が異なります。

  • 敷金:基本的に返してもらえるお金で、滞納や損傷の補填に使われる
  • 礼金:契約時に支払い、返還されない
  • 保証金償却:契約の時点で返ってこない金額があらかじめ決まっている
  • 原状回復費:退去時の実費精算で金額が変動する

保証金償却は契約書に書かれた固定額なのに対して、原状回復費は実際にどれくらい使ったかによって金額が変わるという点が大きな違いです。

店舗物件では家賃の数ヶ月分が設定されるケースが多い

事業用物件では、保証金の総額が家賃の10~12ヶ月分に設定されることが一般的です。そのうち償却される割合は物件によって異なりますが、保証金の10~20%程度が償却される契約が多い傾向にあります。

例えば、家賃20万円の物件で保証金が10ヶ月分(200万円)、償却率20%の場合、償却額は40万円となり、退去時には160万円が返還される計算です。ただし、地域や物件の種類によって相場は変動するため、契約前に確認することが重要です。

契約書に明記された特約内容によって金額が決まる

保証金償却の金額や条件は、すべて賃貸借契約書の特約条項に明記されます。「保証金の○%を償却する」「解約時に家賃○ヶ月分を償却する」といった形で記載され、これが法的な根拠となります。

契約書に記載がなければ償却する義務は発生しませんが、逆に契約書に明記されていれば、借主側は拒否できません。そのため、契約する前に償却の項目があるかどうかを必ず確認し、納得したうえで契約することが大切です。

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保証金償却の会計処理

保証金を支払ったときの会計処理は、返還される部分と返還されない部分で分けて考えます。
返還される部分は「差入保証金」として資産に計上します。これは貸主に一時的に預けているお金で、契約が終われば返ってくるためです。
返還されない部分(償却部分)は費用として処理しますが、金額によって方法が変わります。

  • 償却額が礼金等と合わせて20万円未満の場合:支払ったときに全額を費用として計上できる
  • 償却額が20万円以上の場合:長期前払費用(先に払った費用を何年かに分けて計上するもの)として資産に計上し、原則5年間で少しずつ費用化する

例えば、保証金100万円のうち30万円が償却される契約の場合、返還予定の70万円を差入保証金として資産計上し、30万円は長期前払費用として資産計上して、毎年6万円ずつ5年間で費用化します。

契約時に償却額が決まっていない場合は、退去時に修繕費などが差し引かれて返還額が確定した時点で、その金額を費用計上します。

契約前に確認すべきポイント

保証金償却で後悔しないためには、契約前の確認が何より重要です。ここでは、契約する前に必ずチェックすべき3つのポイントを解説します。

契約書の償却条項で返還条件と金額を確認する

賃貸借契約書には、保証金償却に関する条項が必ず記載されています。「保証金の○%を償却する」「解約時に家賃○ヶ月分を償却」といった表現で明記されているため、契約前に必ず確認しましょう。

また、償却のタイミングも重要です。契約したときにすぐ償却されるのか、毎年少しずつ償却されるのか、解約時に一気に償却されるのかによって、資金繰りへの影響が変わります。

わかりにくい点があれば、契約前に不動産会社や貸主に確認することが大切です。

解約時期によって返還額が変わるかを把握する

契約によっては、解約時期によって償却額が変動するケースがあります。例えば「3年以内の解約なら償却率30%、5年以上なら20%」といった条件が設定されている場合、早期解約ほど返還額が少なくなる仕組みです。

将来の事業計画を考慮し、どのタイミングで解約する可能性があるかを想定した上で、各時期の返還額をシミュレーションしておくことが重要です。予想外の償却で資金繰りに困らないよう、事前に計算しておきましょう。

償却率や条件を事前に交渉できるか確認する

保証金償却の条件は、必ずしも固定ではありません。貸主との交渉次第で、償却率を下げてもらえる可能性があります。特に空室期間が長い物件や、貸主が早期契約を望んでいる場合は交渉の余地があります。

「償却なしで契約できないか」「償却率を10%に下げてもらえないか」といった提案をしてみる価値はあるでしょう。ただし、交渉は契約前のタイミングで行う必要があり、契約した後の変更は難しい場合が多いです。

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保証金がほとんど返ってこない時の対処法

退去時に保証金がほとんど返還されず、想定外の負担が発生するトラブルは少なくありません。ここでは、そうした事態に直面した時の対処法を解説します。

償却分と修繕費が重複していないか確認する

保証金償却で最も多いトラブルが、償却分と原状回復費の二重請求です。契約書に「保証金の20%を償却」と明記されているにも関わらず、退去時に別で原状回復費を請求されるケースがあります。

償却分が原状回復費に充当されるかは、契約書の記載によります。契約書に「償却金を原状回復費に充当する」と明記されている場合、別途原状回復費を全額請求するのは二重請求となります。

ただし、明記されていない場合は別途請求が可能なため、契約前に必ず確認することが重要です請求内容に疑問を感じたら、契約書の償却条項を確認し、二重請求になっていないかチェックしましょう。

契約内容と請求書の内容を照らし合わせる

退去時に高額な請求を受けた場合、まずは賃貸借契約書と請求書を照らし合わせることが重要です。契約書に記載のない項目が請求されていないか、償却額の計算が正しいかを確認します。

例えば、「保証金100万円のうち20%償却」という契約であれば、返還額は80万円のはずです。これが大幅に下回る場合、追加で差し引かれた項目に正当な理由があるかを確かめて、納得できない場合は貸主や不動産会社に説明を求めましょう。

税理士や専門家に相談して対応方針を整理する

保証金の返還トラブルが解決しない場合、税理士や弁護士などの専門家に相談することが有効です。特に会計処理や税務上の影響については、税理士のアドバイスを受けることで適切な対応が可能になります。

また、法的なトラブルに発展しそうな場合は、不動産トラブルに詳しい弁護士に相談することで、交渉の進め方や法的措置の可能性について助言を得られます。一人で抱え込まず、早めに専門家の力を借りることが解決への近道です。

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まとめ

保証金償却は、店舗経営者にとって避けては通れない重要なテーマです。契約書の償却条項を事前に確認し、正しい会計処理を行うことで、退去時のトラブルや税務リスクを大きく減らすことができます。

特に重要なのは、返還される部分と返還されない部分を明確に区分し、適切な勘定科目で処理することです。償却額が20万円以上の場合は長期前払費用として資産計上し、契約期間に応じて償却する必要があります。

また、退去時に償却分と修繕費の二重請求を受けないよう、契約内容と請求書を照らし合わせることも忘れてはいけません。

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この記事を監修した税理士

記事監修者

株式会社グロウ・コンサルタント/古川一輝税理士事務所
代表税理士:古川一輝

夜職や店舗ビジネスの顧客からの相談を多く受け、確定申告・収入管理など“業種特有の悩み”に実務経験を踏まえて対応している。
飲食・美容・医療のバックオフィス業務も一括で支援し、長く選ばれる税務パートナーとして活動している。