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キャバクラ開業に必須の「風営法」完全ガイド|許可要件から接待の定義、摘発リスクまで徹底解説

華やかな夜の街で一獲千金を夢見てキャバクラを開業したいと考える方は少なくありません。しかし、キャバクラ経営は単なる飲食店経営とは異なり、法律による厳格な規制の対象となります。その中心にあるのが「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)」です。これから開業を目指すオーナー様にとって、この法律を正しく理解することは、ビジネスの成功以前に、そもそも営業を開始するためのスタートラインといえます。

「知らなかった」では済まされないのが法律の世界です。無許可営業や禁止行為による摘発は、逮捕や多額の罰金、そして長期間の営業停止処分につながり、事業を一瞬にして崩壊させます。本記事では、キャバクラ開業に不可欠な風営法「1号営業」の許可要件、接待の法的定義、そして開業後の遵守事項までを網羅的に解説します。行政書士などの専門家に相談する前の基礎知識として、ぜひお役立てください。

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キャバクラ営業と「風営法」の基礎知識|なぜ許可が必要なのか

キャバクラを開業する際、最も重要となるのが法的な位置づけの理解です。一般的なレストランやカフェであれば保健所の「飲食店営業許可」があれば営業できますが、キャバクラの場合はそれだけでは不十分です。なぜなら、キャバクラは風営法において、特別な規制が必要な業種として定義されているからです。この章では、キャバクラが法律上どの区分に該当するのか、そしてなぜ特別な許可が必要なのかを明確にします。

多くの開業希望者が「申請が面倒だから」「バレないだろう」という安易な気持ちで無許可営業を行い、警察の摘発を受けています。風営法の許可は、健全な営業を行うためのパスポートです。まずは、ご自身が計画している店舗が、法律の網にかかる「風俗営業」であることを正しく認識し、コンプライアンス意識を高めることから始めましょう。ここでは法的な定義と、違反時の重大なリスクについて解説します。

キャバクラは風営法第2条「1号営業(社交飲食店)」に該当

風営法では、風俗営業をいくつかの種類に分類していますが、キャバクラはその中でも第2条第1項第1号に規定される「1号営業」に該当します。通称「社交飲食店」とも呼ばれます。
法律の条文では、「キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興や飲食をさせる営業」と定義されています。ここで重要なキーワードは「設備を設けて」「客の接待をして」「飲食をさせる」という3点です。

一般的な飲食店との最大の違いは、従業員がお客様の席に同席し、談笑したりお酒を作ったりする「接待行為」があるかどうかです。この「接待」を伴う飲食店を行う場合は、必ず各都道府県の公安委員会(窓口は管轄の警察署)から風俗営業の許可を取得しなければなりません。これは、ホストクラブや高級クラブも同様の区分に含まれます。

「飲食店営業許可」だけではキャバクラ営業ができない理由

「保健所の許可は取ったから大丈夫」と誤解されている方が稀にいらっしゃいますが、これは非常に危険な間違いです。保健所の「飲食店営業許可」は、あくまで食品衛生法に基づき、衛生的な環境で調理・提供を行うための許可に過ぎません。

キャバクラ営業を行うには、この「飲食店営業許可」を取得した上で、さらに警察署経由で公安委員会の「風俗営業許可」を取得するという二段階の手続きが必要です。つまり、飲食店営業許可はあくまでベースとなる前提条件であり、それ単体ではキャストがお客様の隣に座ってお酌をしたり、カラオケをデュエットしたりすることは法的に認められていません。
もし風俗営業許可を取らずにこれらのサービスを提供した場合、それは単なる手続きミスではなく、法律違反の営業状態となります。開業スケジュールを立てる際は、保健所の許可だけでなく、警察署の審査期間(標準で約55日程度)も考慮に入れる必要があります。

無許可営業(風営法違反)をした場合の重い罰則と逮捕リスク

風営法の許可を取得せずにキャバクラ営業を行った場合、「無許可営業」として厳しい刑事罰の対象となります。具体的には、「2年以下の懲役」もしくは「200万円以下の罰金」、またはその両方が科される可能性があります。これは経営者だけでなく、実質的な運営に関わっていた店長やスタッフも共犯として逮捕されるケースがあるため、非常に重大なリスクです。

また、一度無許可営業で検挙されると、その後5年間は風俗営業の許可を取得することができなくなります(欠格事由に該当)。つまり、一度の過ちで長期間にわたり業界での再起が閉ざされることを意味します。
警察は内偵捜査や立ち入り調査を行い、実態を把握した上で摘発に踏み切ります。「近隣の店もやっているから」という言い訳は通用しません。自身と従業員、そして店舗を守るためにも、正規の手順で許可を取得することは絶対条件といえます。

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風営法における「接待」の定義とは?ガールズバー・スナックとの境界線

風営法を理解する上で最も難解かつ重要なのが「接待(せったい)」の定義です。一般的に使われる「接待」という言葉とは異なり、風営法では警察庁の解釈運用基準によって非常に細かく具体的な行為が定められています。この「接待」に該当するサービスを提供する場合は風俗営業許可が必要となり、提供しない場合は通常の飲食店や深夜酒類提供飲食店(いわゆるガールズバーなど)としての営業が可能となります。

多くのオーナーが悩むのが「どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか」という境界線です。例えば、カウンター越しに会話をするのは接待になるのか、お客様と一緒にカラオケを歌うのはどうなのか。この章では、法的な「接待」の具体的な中身と、類似業種であるガールズバーやスナックとの違いを明確にし、自店がどの許可を必要とするかの判断基準を提供します。

法律が定める「接待」の具体的な行為(談笑・お酌・カラオケ・ゲーム)

警察庁の通達によると、風営法上の接待とは「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とされています。具体的には以下のような行為が該当します。

まず「特定少数の客の近くにはべり、継続して談笑の相手となること」です。これはキャバクラの基本サービスですが、特定の客席について接客することは接待とみなされます。また、「お酌」についても、特定のお客様に対して継続的にお酒を作ったり注いだりする行為は接待です。
さらに、「歌唱・ダンス」に関しても、特定のお客様の横で歌うことを勧めたり、デュエットをしたり、お客様のダンスの相手をすることも接待に含まれます。「遊戯」に関しても、トランプやダーツ、テーブルゲームなどを特定のお客様と一緒に行うことは接待です。
このように、特定のお客様に対して継続的に相手をする行為の多くが「接待」に分類されるため、キャバクラの業務内容はほぼ全てこれに該当すると考えて間違いありません。

ボディタッチや同席は?キャバクラで許される行為・許されない行為

キャバクラにおいて「接待」は業務の中心ですが、風俗営業許可を取っていても許されない行為が存在します。それは「性的サービス」や過度な「わいせつ行為」です。風営法1号営業はあくまで「社交飲食店」であり、性風俗店(デリヘルやソープランド等)とは明確に区分されています。

お客様の隣に座ること(同席)は1号営業の許可があれば合法ですが、衣服の中に手を入れる、あるいは入れさせるような行為や、下着を見せるような行為は風営法および公然わいせつ罪等の刑法に抵触する恐れがあります。
また、「スキンシップ」についても、社交儀礼の範囲(握手など)を超えて、客の身体に密着したり、執拗に接触したりする行為は、地域の迷惑防止条例違反や風営法上の違反(卑わいな行為)として処罰の対象になります。
許可店であっても「何をしても良い」わけではなく、あくまで「健全な遊興」の範囲内でのサービス提供が義務付けられています。

ガールズバー(深夜酒類提供飲食店)とキャバクラの決定的な違い

よく比較される「ガールズバー」と「キャバクラ」ですが、法的な区分は明確に異なります。ガールズバーの多くは「深夜酒類提供飲食店」として届出をしており、風俗営業許可を取得していません。

最大の違いは「接待の有無」です。ガールズバーは原則としてカウンター越しに接客を行い、特定の客の隣に座って接客(接待)することは禁止されています。あくまでバーテンダーとして対面で会話やドリンク提供を行う形態です。
そのため、ガールズバーでは「隣に座る」「デュエットする」「ダーツを一緒にする」といった行為は、接待とみなされ無許可風俗営業として摘発されるリスクがあります。
一方で、キャバクラ(1号営業)は接待が可能ですが、原則として深夜0時(地域により1時)以降の営業ができません。対してガールズバーは接待ができない代わりに、朝まで営業が可能です。この営業時間の違いと接待の可否が、両者の決定的な法的な差となります。

キャバクラの風俗営業許可を取るための「3つの要件」【開業前チェック】

キャバクラを開業するためには、単に申請書を出せば良いわけではありません。許可を取得するためには、「人的要件」「場所的要件」「構造的要件」という非常に厳しい3つのハードルをすべてクリアする必要があります。これらは一つでも満たしていなければ許可が下りないため、物件契約や内装工事を行う前の事前確認が極めて重要です。

実際、物件を契約した後に「この場所では許可が取れない」と判明し、数百万円単位の損失を出すケースも後を絶ちません。また、内装工事が終わった後の警察検査で「壁の高さが数センチ高い」と指摘され、工事のやり直しを命じられることもあります。この章では、開業計画の根幹に関わるこれら3つの要件について、具体的な数値や基準を用いて詳細に解説します。

1. 人的要件(欠格事由):許可を受けられない人の条件

まず最初に確認すべきは、申請者(経営者)や法人の役員が、許可を受けられる人物かどうかです。風営法第4条には「欠格事由」が定められており、これに該当する人物は許可を取得できません。

主な欠格事由としては、以下のようなものがあります。
・1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、その執行が終わってから5年を経過していない者。
・風営法違反や刑法(賭博罪、わいせつ罪など)に違反し、罰金刑を受けてから5年を経過していない者。
・集団的に、または常習的に暴力的不法行為を行うおそれのある者(暴力団関係者など)。
・心身の故障により風俗営業の業務を適正に行うことができない者。
・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者。

なお、法人の場合は役員全員が審査対象となります。誰か一人でも欠格事由に該当していれば、許可は下りません。

過去の犯罪歴や破産手続き中の場合

特に注意が必要なのが「過去の犯罪歴」と「破産歴」です。交通違反程度であれば通常問題になりませんが、執行猶予付きの判決を受けた場合など、その期間が経過しているかの確認が必要です。また、過去に風俗営業の許可を取り消されたことがある場合、その取消しの日から5年間は再取得ができません。
破産手続き中の場合も「復権」を得ていなければ許可申請はできませんが、免責決定が確定して復権を得れば申請可能となります。ご自身の経歴に不安がある場合は、事前に管轄の警察署や専門の行政書士に相談することをお勧めします。

2. 場所的要件(用途地域と保全対象施設):出店可能なエリアの調査

次に、店舗を構える「場所」の要件です。キャバクラはどこでも開業できるわけではなく、「用途地域」と「保全対象施設からの距離」という2つの制限をクリアしなければなりません。

まず「用途地域」ですが、原則として「商業地域」や「近隣商業地域」などでなければ営業できません。「住居地域」では原則として許可が下りないため、物件選びの際は都市計画図を確認し、その土地がどの用途地域に含まれているかを必ず確認してください。
次に「保全対象施設」からの距離制限です。学校、病院、図書館、児童福祉施設などの施設から、一定の距離が離れている必要があります。この距離は各都道府県の条例によって異なりますが、一般的には半径100メートル以内などに制限があることが多いです。

商業地域・近隣商業地域の確認方法

用途地域の確認は、各自治体の役所にある都市計画課の窓口や、自治体のWebサイトで公開されている「都市計画マップ」などで誰でも閲覧可能です。不動産屋の資料に記載されていることもありますが、古い情報の可能性もあるため、必ずご自身または行政書士を通じて最新の公的情報を確認してください。
特に「準工業地域」など、自治体によって条例で許可・不許可が分かれる地域もあるため、大まかな判断は危険です。ピンポイントでその住所が営業可能エリアかどうかの調査が必要です。

学校・病院・図書館などの「保全対象施設」からの距離制限

保全対象施設とは、主に児童や入院患者などの静穏な環境を守るべき施設を指します。具体的には、学校(大学を除く場合が多い)、病院(入院施設があるもの)、診療所(入院施設があるもの)、図書館、認定こども園などが該当します。
制限距離は「商業地域なら〇〇メートル以上」「それ以外なら〇〇メートル以上」といったように、用途地域によって距離が変わるケースが一般的です。Googleマップだけで判断せず、実際に現地を歩いて看板を確認したり、ゼンリン地図などで見落としがないか徹底的に調査する必要があります。たった1メートル足りないだけで許可が下りない厳しい世界です。

3. 構造的要件(設備基準):店内の見通しと個室の禁止

3つ目が、店舗の「内装・設備」に関する要件です。風営法では、店内で違法行為や密室でのトラブルが起きないよう、見通しの良さを求めています。

主な要件は以下の通りです。
・客室の床面積:1室の床面積が、和室なら9.5平方メートル以上、洋室なら16.5平方メートル以上であること。これより狭い個室を作ることはできません。
・店内の見通し:客室内部に見通しを妨げる設備(高いパーティション、背の高い観葉植物、飾り棚など)を設けないこと。基準は床から1メートルの高さです。
・施錠設備:客室の出入り口に鍵をかける設備を設けてはならない。
・照明:客室内の照度が5ルクス以下とならないこと。

これらの基準は、内装工事の設計段階から反映させておく必要があります。

客室の床面積(和室9.5㎡・洋室16.5㎡以上)のルール

客室の面積要件は、密室でのわいせつ行為等を防ぐために設けられています。キャバクラでは一般的に洋室となりますので、客室として使用する部分の面積が16.5平方メートル(約5坪)以上必要です。
この「客室」とは、壁や扉で区切られた空間ごとの単位を指します。もしVIPルームを作る場合は、その部屋単体で16.5平方メートル以上なければなりません。狭い個室を複数作るようなレイアウトは風営法上認められないため、設計士と相談する際は特に注意が必要です。

店内の見通しを遮る「高さ1メートル」を超える仕切り・背もたれの禁止

「見通しを妨げる設備」の基準として、床から高さ1メートルを超えるもの(椅子の背もたれ、間仕切り、キャビネット等)を設置することは原則禁止されています。
例えば、ボックス席の背もたれが高すぎて他の席から見えない構造や、天井から吊るしたカーテンなどは指摘の対象となります。「どこから見ても店内の様子がわかる」状態にすることが求められます。実査(店舗検査)の際、警察や浄化協会の担当者がメジャーで厳密に計測しますので、1センチのオーバーも許されないと考え、余裕を持った設計にしましょう。

スライダックス(調光器)不可?照明の明るさ(照度)基準

店内の明るさについても「5ルクス(新聞が読める程度の明るさ)」以上という基準があります。ムードを出すために照明を暗くしたい気持ちは分かりますが、真っ暗な店内は許可されません。
また、つまみで明るさを自由に調整できる調光器(スライダックス)の設置は、多くの地域で指導の対象となり、撤去を求められるか、最大光度で固定する処置を求められます。これは、検査の時だけ明るくして、営業中に暗くすることを防ぐためです。照明計画についても、所轄の警察署の運用方針を事前に確認しておくのが無難です。

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実録!キャバクラの風営法許可申請からオープンまでの流れ

要件をクリアできる見込みが立ったら、いよいよ具体的な申請手続きに入ります。しかし、申請書を出してすぐに営業ができるわけではありません。書類作成から警察署への提出、その後の実地検査を経て許可証が交付されるまでには、標準で約2ヶ月程度の期間を要します。

この期間中は、家賃が発生しているにもかかわらず営業売上が立たない「空家賃」の期間となります。資金繰りを圧迫しないよう、スムーズに手続きを進めることが経営上非常に重要です。ここでは、物件契約から許可証交付、そしてオープン日を迎えるまでの標準的なタイムラインと、各ステップでの注意点を解説します。

物件契約前に必ず行うべき「事前調査」の重要性

フローの中で最も重要なのは「物件契約前」です。繰り返しになりますが、契約後に「場所的要件を満たしていない」と判明しても、契約金や仲介手数料は戻ってきません。行政書士などの専門家に依頼し、その場所で確実に風営法の許可が取れるかどうかの「事前調査」を必ず行ってください。

また、居抜き物件の場合、前の店舗が風俗営業許可を取っていたとしても、その許可を引き継ぐことはできません(新規取得が必要です)。さらに、前の店舗が行政処分を受けて営業停止中だった場合、その場所での新規許可が下りない期間がある可能性もあります。物件の履歴も含めて調査することが不可欠です。

警察署への申請書類提出と手数料(証紙代)

内装工事の目処が立ち、要件を満たす状態になったら、管轄の警察署の生活安全課へ申請書類を提出します。必要な書類は多岐にわたり、申請書、営業の方法を記載した書類、平面図、求積図、照明配置図、賃貸借契約書の写し、住民票、身分証明書、誓約書などが含まれます。

申請手数料として、警察署で収入証紙を購入して納付します。金額は都道府県により多少異なりますが、概ね24,000円〜28,000円程度です。書類に不備があると受理されず、修正して再提出となるため、タイムロスを防ぐためにも正確な図面作成と書類準備が求められます。

浄化協会による「実査(店舗検査)」のチェックポイント

申請書類が受理されると、後日(通常1〜2週間後)、警察署の担当者や「風俗環境浄化協会」の検査員が店舗に訪れ、実際の店舗が提出した図面通りになっているかを確認する「実査」が行われます。

ここでは、客室の面積計測、椅子の高さ、照明の明るさ、鍵の有無などが厳格にチェックされます。図面と実際の寸法に数センチ以上の誤差があると、図面の差し替えや設備の改修を求められ、許可が遅れる原因になります。実査の日は、オーナーまたは代理人の立ち会いが必要です。店舗は完成状態でなければならず、テーブルや椅子も配置済みである必要があります。

許可証交付までの期間(標準処理期間は約55日)と営業開始日

実査で問題がなければ、そこから内部での決裁処理が進みます。申請受理から許可が下りるまでの期間は「標準処理期間」として定められており、土日祝日を除く実働日で約55日(約2ヶ月半)程度かかるのが一般的です。

許可が決定すると警察署から連絡があり、警察署に出向いて「許可証」の交付を受けます。この許可証を受け取った瞬間から、晴れて営業が可能となります。逆に言えば、許可証を受け取る前にプレオープンやレセプションパーティーを行って金銭を授受したり、接待を行ったりすることは無許可営業となるため、絶対に避けてください。

開業後も要注意!キャバクラが遵守すべき風営法の営業ルール

無事に許可を取得しオープンできたとしても、それで終わりではありません。風営法には、営業開始後も日々守らなければならない厳格なルールが存在します。これらに違反すると、「指示処分」や「営業停止処分」、最悪の場合は「許可取消」となる可能性があります。

特に警察は、オープン直後や年末年始などに抜き打ちで立ち入り検査を行うことがあります。知らなかったでは済まされない重要な遵守事項について解説しますので、店長やスタッフ全員で共有し、徹底したコンプライアンス体制を構築してください。

営業時間の制限:深夜0時(地域により1時)以降の営業禁止

キャバクラ(風俗営業1号)の最大の制約は営業時間です。原則として深夜0時から日の出までの時間は営業が禁止されています。ただし、各都道府県の条例で定められた繁華街などの特例地域では、営業時間が深夜1時まで延長されている場合があります。

「10分くらい過ぎても大丈夫だろう」という甘い考えは禁物です。閉店時間を過ぎて客を滞在させていたり、看板の電気を消して裏で営業(闇営業)していたりすると、摘発の対象になります。ラストオーダーの時間を調整し、許可された時間までには完全にお客様を退店させるオペレーションが必要です。

18歳未満の雇用禁止と客としての立ち入り制限

青少年の健全育成の観点から、18歳未満の者を従業員(キャスト・ボーイ含む)として雇用することは厳禁です。また、お客様として店に立ち入らせることも禁止されています。

特に雇用に関しては、面接時の年齢確認が必須です。「年齢確認書類を後で持ってくる」と言われて採用し、実は17歳だったというケースでも、店側の確認義務違反として処罰されます(1年以下の懲役または100万円以下の罰金など)。必ず顔写真付きの身分証明書で生年月日を確認し、コピーを保管するフローを徹底しましょう。

従業者名簿の備え付け義務と本人確認の徹底

風営法では、営業所に「従業者名簿」を備え付けることが義務付けられています。これには、キャストだけでなく、ホールスタッフやキッチンスタッフなど全従業員の氏名、生年月日、住所、採用年月日などを記載し、退職後も3年間保存する必要があります。

また、この名簿を作成する際には、必ず公的な身分証明書等で本人確認を行うことが法律で義務化されています。警察の立ち入り検査では、この名簿が正しく管理されているかが真っ先にチェックされます。在留資格のない外国人の不法就労防止の観点からも重要視されています。

「客引き(キャッチ)」行為の禁止と条例違反リスク

路上で通行人に声をかけて店に誘う「客引き(キャッチ)」行為は、風営法および各自治体の迷惑防止条例等で厳しく規制されています。店員が直接行うのはもちろん、外部のスカウト業者などに委託して客引きをさせる行為も、指示をした店側が処罰される可能性があります。

近年、警察による客引き対策は強化されており、私服警官による取り締まりも頻繁に行われています。摘発されると店名が公表されたり、営業停止処分を受けたりするリスクが高いため、集客はSNSやWeb広告、看板などの合法的な手段に注力すべきです。

メニューの料金表示義務とぼったくり防止条例

お客様とのトラブルを防ぐため、料金設定を明確に表示することが義務付けられています。客室内にメニュー表を備え付け、セット料金、指名料、ドリンク代、サービス料(TAX)などを分かりやすく明記しなければなりません。

いわゆる「ぼったくり」行為は論外ですが、不明瞭な会計は警察への通報やクレームの元となります。特にサービス料などの加算については、「思ったより高かった」というトラブルになりやすいため、入店時の説明とメニューへの明記を徹底し、透明性の高い経営を行うことがリピーター獲得にも繋がります。

競合と差がつく!風営法許可の「名義貸し」と「変更届」の落とし穴

最後に、意外と見落とされがちな法的リスクについて解説します。経営の実態と申請内容が乖離している場合、それは重大な違反となります。特に「名義貸し」は業界の悪しき慣習として残っている場合がありますが、発覚すれば即座に許可取り消しとなる重罪です。

また、店舗の改装やレイアウト変更を行った際にも、警察への変更承認申請や届出が必要です。これらを怠ると「無承認変更」として処罰の対象となります。長く安定した経営を続けるために知っておくべき、実務的な注意点を紹介します。

経営者と名義人が違う「名義貸し」は絶対NG

「自分は過去に逮捕歴があって許可が取れないから、従業員や知人の名前で許可を取ろう」。これは「名義貸し」と呼ばれる行為で、風営法で最も厳しく禁止されている行為の一つです。

名義を借りた側だけでなく、貸した側も処罰されます。さらに、許可は即時取り消され、その後5年間は両者とも新たな許可を取得できなくなります。警察は資金の流れや、誰が実質的な指示を出しているかを徹底的に調べます。どんなに信頼できる相手であっても、名義貸し・名義借りは絶対に避けてください。必ず実質的な経営者が許可申請を行う必要があります。

構造変更や管理者の変更時に必要な「変更承認申請」と「変更届」

営業開始後、店内の改装を行うこともあるでしょう。しかし、客室の位置を変えたり、壁を増設したりするような大幅な「構造変更」を行う場合は、事前に公安委員会の「承認」を受けなければ工事に着手できません。

一方、テーブルの配置を少し変える、営業所の名称を変える、管理者を変更するといった軽微な変更の場合は、事後の「変更届」で済む場合があります。どのような変更が承認事項で、どれが届出事項なのかは判断が難しいため、店舗に手を加える前には必ず行政書士や警察署へ相談してください。勝手に工事をしてしまうと、許可要件を満たさなくなり、最悪の場合、営業ができなくなる恐れがあります。

キャバクラの風営法に関するFAQ(よくある質問)

これからキャバクラを開業される方や、現在運営されている方から頻繁に寄せられる質問をまとめました。風営法は解釈が難しい部分もありますが、基本的な考え方を理解しておくことがトラブル防止につながります。

Q. 深夜0時以降も営業したい場合、抜け道はありますか?

A. 風俗営業(キャバクラ)として許可を受けている以上、法律上の抜け道はありません。深夜0時(特例地域は1時)以降の営業は禁止されています。「深夜は接待をやめてバー営業に切り替える(二毛作営業)」という手法も、設備や構造が風営法の許可基準のままである場合、警察からは脱法行為とみなされるリスクが非常に高く、推奨されません。

Q. 居抜き物件ならそのまま風営法の許可を引き継げますか?

A. いいえ、引き継げません。風俗営業許可は「人(経営者)」と「場所」に対して与えられるものですが、経営者が変わる場合は新規での許可取得が必要です。ただし、個人の店主が亡くなり相続人が引き継ぐ場合や、法人の合併・分割などの特殊なケースでは承継が認められることがあります。

Q. VIPルームを作る場合、完全に個室にしても大丈夫ですか?

A. 基本的にNGです。風営法では「客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと」が要件となっています。完全に壁とドアで密閉された個室は、1室あたりの面積要件(16.5㎡以上)を満たしていても、見通しの確保や施錠設備の禁止等の観点から認められないケースが一般的です。ドアの一部を透明にするなどの工夫が必要になる場合がありますので、所轄警察署との協議が必要です。

Q. 風営法の許可申請は自分でもできますか?行政書士に頼むべきですか?

A. 自分で行うことも法的には可能ですが、非常にハードルが高いです。正確な測量図面の作成には専門知識が必要ですし、警察署との事前協議や書類修正に何度も足を運ぶことになります。開業準備で忙しい時期に数週間分の時間を割くことになるため、コストはかかりますが、風営法専門の行政書士に依頼するのが一般的かつ確実です。

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まとめ

キャバクラの開業と運営において、風営法は避けて通れない最重要ルールです。「1号営業」の許可取得には、人的・場所的・構造的といった厳しい要件をクリアする必要があり、申請から許可までには約2ヶ月の時間と労力がかかります。また、接待の定義や営業時間の制限など、日々の営業においても高いコンプライアンス意識が求められます。

法律を守ることは、単に摘発を逃れるためだけではありません。健全な営業を行うことは、キャストやスタッフが安心して働ける環境を作り、お客様からの信頼を獲得し、結果として息の長い繁盛店を作ることにつながります。
風営法の手続きは複雑で、地域ごとの条例や警察の運用によっても詳細が異なります。安易な自己判断は禁物です。開業を検討される際は、物件契約の前に必ず風営法に詳しい行政書士等の専門家に相談し、確実な一歩を踏み出してください。

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この記事を監修した税理士

記事監修者

株式会社グロウ・コンサルタント/古川一輝税理士事務所
代表税理士:古川一輝

夜職や店舗ビジネスの顧客からの相談を多く受け、確定申告・収入管理など“業種特有の悩み”に実務経験を踏まえて対応している。
飲食・美容・医療のバックオフィス業務も一括で支援し、長く選ばれる税務パートナーとして活動している。